RailsGirlsとTokyoGirls.rbに参加しての感想など

はじめに

先日あったRailsGirlsTokyo11thですが、参加レポートを書こうとしているうちにだいぶ時間が経過してしまい、TokyoGirls.rbという別のイベントにも参加しました。 別々に参加レポートを書こうかなとも思ったのですが、よく考えると似ている部分が大きいイベントでしたのでまとめて参加レポートと考察を書こうと思います。

RailsGirlsについて

RailsGirlsの基本的な話は以前私がるびまに寄稿した記事がありますのでそちらを参照してください。ご存知ない方のためにざっくり説明すると、RailsGirlsとは主に女性のプログラミング初心者にアプリケーションを作ることを通じて技術の楽しさを伝えるイベントです。

このイベントの素晴らしいところは雰囲気の良さです。オーガナイザーからスタッフ、コーチから参加者さらにはスポンサーに至るまで、関係者全員の熱意が高くイベント全体を通じて活気に満ちています。

私は過去、東京で開催された第7回から今回の第11回までと仙台で開催された第1回とと計6回コーチとして参加しています。

RailsGirlsTokyo11thについて

一言で言うと、素晴らしいイベントでした。特筆すべきは人数の多さで、参加者だけでも30人を超す規模でした。これはおそらく東京での開催史上最大です。 コーチ陣も初参加の方々を含め多様性に富んでいたように感じられましたし、とても賑やかなイベントでした。

イベントの流れなどについてはるびまなどにレポートが出ると思うのでそちらを参照していただきたいのですが、今回特筆すべきこととしてWSLの導入に踏み切ったということがあります。これまでWindowsのPCを持参された方はCloud9というウェブのIDEを使っていたのですが、アカウント数の都合などで移行の機運が高まり、ドキュメントなどを整備した上でWSLを使っていただくことになりました。

私は残念ながらWSLが使えるWindows10のチームではなかったのでどんな感触だったのか直接知ることはできなかったのですが、インストールに時間がかかったことを除いては問題がなかったようでホッとしました。

このように、新しいことをいろいろと有志で試して実地に投入するなど、とても活発なコミュニティだなと感じます。また、最新のRubyへの追随なども含めたドキュメントのメンテナンスなどもコミュニティとして継続的に行っています(私もいくつか関わっています)。これらをメインで支えている江森さん(@emorima)と五十嵐さん(@igaiga555)さんに感謝です!

RailsGirlsTokyoMore!について

本編である11thはとても素晴らしいイベントなのですが、時間にして実質5~6時間程度のワークショップでしかありません。このイベントでプログラミングに興味を持つ方がたくさん出てきても、彼女たちの好奇心を満たすには十分な時間が確保できているわけではありません(というよりむしろ、短い時間にしてはたくさんのことを学ぶのですが、それでもまだまだ学びたいことがたくさんある方もいらっしゃるのです)。

そんな彼女たちのため、RailsGirlsTokyoではMore!というイベントを定期的に開催しています。私もコーチとしてできるだけ参加しています。教える内容は本当に参加者によって様々で、RailsGirlsガイドの続きをやったり自分でアプリを作ったりしたいる方々の困っていること・わからないことを解決することが多いです。

今月は50回の節目とのことで、創設者の鳥井雪さん(@yotii23)を交えての飲み会もあったりしました。完全にボランティアベースであり、かつ本編ほどには華々しくもないこのMoreを50回も続けてこられた@emorimaさんたちは本当にすごいなと思います。

TokyoGirls.rbについて

こちらも開催からだいぶ日が経ってしまったのですが、TokyoGirls.rbというイベントがあり、性別不問枠で参加してきました。

このイベントは今回が初開催だったのですが、託児所があったり女性専用枠が半数を占めたりと女性の参加者のことを第一に考えたイベントだなという印象でした。会場では男性が4割ほどしかおらず、率直に言うとプログラミング・IT関係のイベントに来ている感じがあまりしませんでした(そして、それこそが改善されるべき状況だと思います)。

トークをした方々も全員女性で、エモい話からゴリゴリの技術トークもあり、トークの内容自体がとても素晴らしいものが揃っていたのがよかったと思います。トークは今はYouTubeにアップロードされているのでご覧になることをオススメします。

懇親会でのぼっち防止策などの工夫もあり、ほぼ半日のイベントでしたがとても楽しめました。

エンジニア界隈における男女比の話

この記事でご紹介したイベントにはお気付きの通り共通点がありまして、それは女性を意図的に優遇しているということです。

これに対して、「男性差別だ」という声も一部の男性から上がっているようですが、そこについての私見を書こうと思います。

結論から書くと、「今は女性優遇は仕方がない」ということです。もう少し書くと、特に勉強会またはコミュニティの場において、女性の参加者が望ましい水準よりかなり少ない現状において、それに対するアファーマティブ・アクション(「積極的差別是正措置」などと訳されますが、どうもあまりいい日本語ではないと思うのでカタカナで)は正当化されるというのが私の意見です。

実際、特にTokyoGirls.rbに参加して驚いたのが、「こんなに女性のプログラマーってたくさんいるんだ!」ということでした。私は趣味であちこちのRubyコミュニティに顔を出していますが、女性はどこでもたいてい1人か2人、0人というケースすら珍しくはないので現状です。ところが、TokyoGirls.rbでは女性の参加者が半数を超える。そこで考えられるのは、通常の勉強会やコミュニティにおいて、単純に男性の割合が多すぎて女性が参加に二の足を踏んでいる可能性があるということです。

男女比が半々である必要があるとまでは私は考えていません。突き詰めるとすべての業界で男女比が半々になるのが理想的なのかもしれませんが、そこを目指すのはあまり意味がないと思います。しかし、女性のプログラマーたちがコミュニティへの参加をためらい、結果的に職業上の利益を失しているとしたら、その状況は変えるべきです。なぜなら、ソフトウェアの世界における人手不足、特に熟練人材の不足はすべての関係者にとってマイナスに働く可能性があり、女性のプログラマーたちが健全な環境でスキルアップしていくことはそれへの有効な手立てとなりうるからです。

どうすれば女性のプログラマーたちがコミュニティへの参加をためらわないようになるかを考えたときに、RailsGirlsのように女性のプログラマー自体を増やす方向性も、TokyoGirls.rbのように女性が参加しやすい環境を整える方向性も、どちらも大切です。その意味で、これからもこういったイベントには積極的に関わっていきたいなと思っています。

最後に

本当はもっと文体を整えたりリンクを貼ったりしたいのですが、いい加減リリースしないと話題が古びてしまうので(もう遅いかな…?)、一旦リリースします。後日時間があるときにリンクなどを貼って記事を更新したいと思います。