2024年を振り返る

この記事について

気づけばまだ今年1つもブログ記事を書いていない大倉です。色々書きたかったことはあるのですが、全く手が追いついていないため、この記事に全てを入れ込もうと思います。 この記事自体はオーソドックスな(そんなものがあるのだろうか)1年の振り返り記事となっています。書き始める前は「今年は割と何もしていない1年だったなあ(何もないとは言っていない)」だったのですが、書いてみると結構活動的でしたね。

2024年の振り返り

1月

1月はBuriKaigi 2024で登壇しました。この時のネタが「なぜRubyにはBooleanクラスがないのか」というもので、私としてはニッチなテーマと思って臨んだのですが発表資料が意外なほど(2000超、私の資料にしてはとても多い)見られていたので、今後もこのテーマで発表することがあるかもしれません。 懇親会だけでなく会場内にもブリしゃぶがデプロイされており(しかも大学構内)、ブリを堪能しまくることができたイベントでした。

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2月

2月はDevelopers Summit 2024でKaigi on Railsについて発表しました。これは元々類似した内容のプロポーザルを送って落選したものを、リレーセッションの一部として発表したものになります。このリレーセッションは「オフラインカンファレンス復活!イベント現地参加の魅力を語りつくすリレーセッション」と題されたもので、他の乙団社の方々もPHPカンファレンス、PyCon、CloudNative Days Tokyo、技術書同人誌博覧会という様々な団体から参加されており、技術コミュニティの今後を考える上でも興味深いものだったと思います。

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また、Kaigi on Railsはこのあたりから動き出しており、初回の顔合わせを行ったのもこの月でした。新しい運営メンバーがたくさん増えたこともあり、早めに顔合わせをして今後の運営をスムーズにする趣旨でしたが、これはやってよかったことの一つで来年以降もやれたらなと思います。

3月

3月はPHPer Kaigi 2024Object-Oriented Conference 2024という、これまで参加したことのないカンファレンス2つに参加してきました。いわゆる「異文化交流」的な気持ちと、Kaigi on Railsをやるにあたって参考になるものを探そうという気持ちがありましたが、新鮮な気持ちでカンファレンスを楽しむことができました。例えばブース1つをとっても、Rubyコミュニティとは出展している企業が違うのではじめましての出会いもたくさんありました。 Object-Oriented Conference 2024では飛び込みLTをしました。

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4月

4月は発表したりカンファレンスに行ったりはしていないのですが、変わり種として大阪で開催された虚構新聞展に日帰りで行ってきました。知っている人は知っている虚構新聞というサイトですが、昔からファンで社主(いわゆる中の人)との親睦会に行ったこともあります。というわけで、ちょっと気分転換も兼ねて大阪まで新幹線に乗って日帰り旅行をしたというわけです。

5月

5月はなんといってもRubyKaigi 2024がありました。例によってプロポーザルは通りませんでしたが、沖縄開催ということもあって観光としても楽しむことができました。トークも3日間を通して結構たくさん聞きましたが、ぺんさんのキーノートが圧巻だったのはもちろんのこととして、kateiさんがブラウザの中でMastodonのサーバーを動かすトークも技術的に高度すぎて理解が困難でした。個人的に最も興味を惹かれたのはvinistockがRubyの開発ツールが多様すぎることについて語ったトークです。自分はこれまでNiwaというドキュメンテーションツールを開発していてそれでプロポーザルを出してもいたのですが、それはRDocとYARDの統合を意識したものでした。このトークで改めてドキュメンテーションツールの統合の必要性を感じたのですが、最終日の夜のとあるバーでIRBメンテナのStanに「RDocをやるべきでは?」と説得され、これらのことが相まってRDocにドキュメンテーションツールを統合する方向で考えていくことになります。 また、TSKaigiに参加したのはRubyKaigiの直前でした。基調講演をするためにアメリカから来ていたDanielを会場で捕まえて結構長いこと話していました。

6月

6月はRubyKaigiのアフターイベントが複数あったのに参加していたのと、Rubyistが集まって将棋を指すイベントに参加したりしていました。最近はYouTubeの将棋動画をよく見て勉強(これは勉強なのか?)していたりはするのですが、人間と対面で指す機会はあまりないので貴重な場でした。 Kaigi on Railsの準備が本格化するのはこのくらいの時期で、打ち合わせの回数が増えていました。同時並行で2025年の会場下見も行ったりしていたので、なんだかんだ結構忙しかったと思います。

7月

7月はRed Dot Ruby Conference 2024に登壇してきました(サイトはリンクが消滅しているっぽい)。内容は「まともなDSLを作るにはどうすればいいか」というテーマでの発表で、これまで自分がDSLについて考えてきたことの集大成的なものになっています。

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イベントはシンガポールで開催されたので、1週間ほどシンガポールに滞在して観光も楽しんできました。特に日本からの参加者とAaron Pattersonの4人でドリアンを食べまくったのが印象的です。またシンガポールは島国ですが、対岸にはマレーシアのジョホールバルという都市があるので、そこにも1泊しました。 7月はKaigi on RailsのCFPがオープンしている期間でもあったので、登壇相談会2回開催しました。これは毎年恒例になっている、プロポーザルを出したい人が私に相談するイベントです。Kaigi on Railsではチーフオーガナイザーという立場でやっていますが、ここでは一人の個人としてプロポーザルの相談に乗っています(実際、Kaigi on Railsでは採択する運営メンバーのうちの一人でしかなくスコアも他のメンバーと同じなので、ここでのやり取りが採択に決定的な影響を与えることはありません)。

8月

8月は怒濤のプロポーザル採択でした。今年は100件を初めて超えた昨年を遙かに上回る193件のプロポーザルが来ました(ありがたいことです)。これだけの量を見るとなるとかなりの時間が必要なのですが、一方でなるべく早く結果を確定させたいという気持ちもあり、結果として月の頭にがんばるしかなくなってしまいます。運営メンバーは原則全員が約一週間以内に全てのプロポーザルにスコアを付けるため、ここはふんばりどころという感じです。 8月には大阪Ruby会議04もありました。こちらにはプロポーザルを出したのですが通らなかったので一般参加者としての参加でした。トークの密度が高く、ベテランを中心としつつも多様なスピーカーがいて地域Ruby会議らしいカンファレンスだったなと思います。カンファレンスの翌日は大阪に住んでいる同僚に車を出してもらって主に京都を観光しました。京都でも普段行けないところに行けたので新鮮でした。来年は関西Ruby会議もあるということなので、今度こそプロポーザルを通したい…!

9月

9月はFukuoka Rubyist会議04があったりTokyuRuby会議15があったりしました。福岡ではPrism作者のKevinとLrama作者の金子さんがキーノートということで「Parser会議」っぽさがありましたが(他の登壇者もパーサー関係者が多かった)、改めて2024年のパーサー熱を感じることができました。観光は1日しか時間がなかったのですが、門司港から気分で下関にまで船で移動し、巌流島に行って戻ってくるというルートが自分的にはハマっていて楽しかったです。 Tokyuは前回のLT王として参戦しLTをしました。RubyのオブジェクトをJSONシリアライズする方法を15個紹介するというトークでしたが、残念ながら連覇はなりませんでした。LTのレベルが全体的に高く、王を取れないのも納得という感じ。LT王への道は 長く険しい…!(そしてご飯とお酒はいつもながらハイレベルでした、皆さんありがとうございました!)

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10月

10月にはKaigi on Rails 2024の本編がありました。が、その前に松江Ruby会議11に登壇者として参加していました。内容は最近取り組みたいと思っている(でもなかなか取り組めていない)RDocの拡張システムに関する発表で、課題意識を共有するトークでした。初参加でしたが、アットホームな雰囲気で(Matzが目の前で聞いていたりする)リラックスして発表できました。観光では隠岐の島に行く予定でしたが、雨だったので予定を変更して温泉津(「ゆのつ」と読みます)へ行ってきました。46度の温泉に挑戦したりして楽しかったのですが、最終日に行った石見銀山では落盤があったり各施設が閉まっていたり雨だったりで空振りに終わったのでまた行きたいですね。 さて後はKaigi on Railsだ、となったのですが、なんとこのタイミングで風邪を引いてしまい、当日も体調不良で迎えることになってしまいました。ですのでトークはほとんど聞けていなかったりします。私不在の中カンファレンスを運営してくれたメンバーに感謝。

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11月

11月はKaigi on Railsのアフターイベントに全て参加しました。11月になると体調はだいぶ回復していたのですが、まだ本調子とは言えない状態でした。アフターイベントの数は今年が最多だったと思うのですが、Kaigi on Railsの盛り上がりを(当日感じられなかったぶんも含めて)感じられてよかったです。

12月

12月はRubyWorld Conference 2024に参加しました。10月に続いての松江ですが、今回は純粋に参加者なので終始のんびりと過ごしていました。1階の大ホールでブースを巡ったりモニターでトークを聞いたり、今年は1階で過ごす時間がとても多かったです。観光は出雲大社とその隣の博物館へ行きました。銅鐸や銅剣が壁中に展示してあって圧巻でした。

まとめ

これを書いている時点で2024年はあと9分で終わります。皆さん、よいお年を!